肛門瘻（直腸瘻）

肛門直腸瘻は、片側が肛門管に開口し、もう片側は肛門周囲の皮膚に開口する管状の通路です。肛門直腸瘻の症状には、瘻孔からの分泌物や、ときに痛みなどがあります。診断は診察とS状結腸鏡検査によって行われます。肛門直腸瘻の治療には、多くの場合手術が必要です。

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肛門直腸瘻の原因は何ですか?

肛門直腸瘻は自然発生的に発生する場合もあれば、直腸周囲膿瘍の排膿後に二次的に発生する場合もあります。誘因としてはクローン病や結核などが挙げられます。瘻の多くは肛門直腸陰窩に生じますが、憩室炎、腫瘍、外傷などによって発生する場合もあります。乳児では、瘻は先天性で、男児に多く見られます。直腸膣瘻はクローン病、産科的損傷、放射線療法、または悪性腫瘍によって二次的に発生する場合があります。

肛門直腸瘻の症状

再発性膿瘍の既往は典型的であり、瘻孔からの排泄物は周期的または持続的に発生します。排泄物は通常、膿性、漿液性出血性、または混合性です。感染がある場合は、疼痛が観察されることがあります。

肛門直腸瘻の診断

診察では、1つまたは複数の二次瘻孔が発見されることがあります。索状の瘻孔管を触知することがよくあります。瘻孔管にプローブを挿入して診察することで、瘻孔の深さ、方向、そして多くの場合一次瘻孔を特定できます。S状結腸鏡検査が用いられる場合もあります。特発性瘻孔は、化膿性汗腺炎、上皮性尾骨瘻孔、膿疱性皮膚病変、尿道肛囲瘻孔と鑑別する必要があります。

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肛門直腸瘻の治療

以前は、肛門直腸瘻の唯一の効果的な治療法は外科手術であり、瘻孔全体を切開し、切除し、「溝」を形成するものでした。部分的な括約筋切開術が必要です。括約筋の大部分を切開すると、便失禁が生じる可能性があります。下痢やクローン病を合併している場合は、創傷治癒に時間がかかるため、瘻孔切開術は不適切です。クローン病患者には、メトロニダゾールなどの適切な抗生物質に加え、抑制療法を処方する必要があります。インフリキシマブはクローン病による瘻孔に非常に効果的です。従来の手術に代わる治療法として、皮弁移植や瘻孔管へのフィブリン糊の注入があります。