感染後の慢性疲労は存在するのか？

感染症に罹患すると、しばしば長期間「回復」できず、衰弱、疲労、無気力といった症状が現れます。なぜこのようなことが起こるのでしょうか？そして、その関連性はどこにあるのでしょうか？科学者たちは、感染症が神経系に痕跡を残し、回復後も神経系が身体を制御し続け、治癒した病気に対抗するために体をエコノミーモードに陥らせることを発見しました。

慢性疲労症候群は、実際の病理学的過程とは何の関係もない「寄せ集め」の概念だと長い間考えられてきました。しかし実際には、そのような症候群は存在します。感染症に罹患すると、深刻な負荷がかかっていないにもかかわらず、やる気のない疲労感を覚えます。その他の症状としては、集中力や記憶力の低下、関節痛や筋肉痛、睡眠障害、頭痛、めまいなどが挙げられます。一部の専門家はこの症候群を筋痛性脳脊髄炎と呼んでいますが、慢性疲労の原因が炎症性か非炎症性かについては依然として議論が続いています。

科学者たちは最近、8年前に開始した実験を完了しました。プロジェクトの第一段階では、200人以上の被験者に慢性疲労の症状について聞き取り調査を行いました。当初、研究者たちはこの症候群が特定のウイルスによって引き起こされる可能性さえ示唆していましたが、この説はその後、確認されませんでした。

科学者たちは、感染症後に持続的な疲労感を訴える人々を探すために多くの研究を行ってきました。そのような被験者は27名見つかりました。中には、呼吸器疾患、筋炎、さらには腫瘍を併発している人もいました。慎重に選別した結果、疲労感の症状を引き起こす可能性のある他の病状を持たない17名のみを実験対象とすることが決定されました。

参加者は数多くの検査、そして様々な検査を受けましたが、すべて正常範囲内でした。問題は脳画像検査によって初めて発見されました。慢性疲労症候群の患者では、運動能力を司る領域が抑制されていたのです。

感染プロセスが始まった瞬間から、脳は体内のエネルギー節約機構を作動させることが知られています。これは、病原体とのより積極的な戦いに必要なエネルギーです。回復後にこの症候群が現れる理由は、脳が病気がまだ治っていないと認識し続け、体が「最大限」に活動すべきではないという事実によって説明できます。

背景研究は、科学者の結論を裏付けるにとどまりました。感染後、自律神経系はしばらくの間、特別なモードで機能し続け、Tリンパ球は病原体を迅速に攻撃する準備を整えています。このような状況下では、慢性疲労症候群の発現は免疫の特性によるものです。

この研究の全文論文はネイチャー・コミュニケーションズ誌に掲載されている。