女性消化器内科医の患者は、男性医師の患者よりも医療サービスを利用する傾向が低い

ワシントンDCで5月18日から21日まで開催された消化器疾患週間（DDW）2024で発表された研究によると、初回診察で女性の消化器専門医を受診した患者は、男性の消化器専門医を受診した患者に比べて、受診後2年以内に救急科、病院、またはプライマリケア診療所で医療サービスを利用する可能性が低いことが分かった。

「女性と男性の消化器内科医による医療提供方法に違いがあり、それが患者の転帰に影響を及ぼすのであれば、この知識を医療従事者の間で広く普及させ、すべての患者の医療水準を向上させることが重要になる」と、トロントのマウントサイナイ病院の臨床研究者であり、トロント大学消化器内科・肝臓病科部長でもある筆頭著者のローラ・ターゴウニック医学博士は述べた。

研究者らは、オンタリオヘルスIC/ES全国データベースから2002年から2020年までの270万件を超える胃腸科診察データを調べたが、診察の15%は女性の胃腸科専門医によって行われ、患者の55%は女性だった。

全体的に、女性患者は男性患者と比較して救急外来およびプライマリケア受診率が高かった。しかし、女性の消化器内科医が初診を行った場合、性別に関わらず、男性の消化器内科医を初診した患者と比較して、その後のすべての医療サービスの利用率が低下した。女性消化器内科医の診察後の医療サービスの利用率の低下は、男性患者よりも女性患者で顕著であった。

「患者の転帰にこのような違いが生じる原因を理解するには、さらなる研究が必要だ」とトロント大学の消化器内科研修医、グレース・ワン氏は語った。

「次のステップは、既往症、最初の消化器科診察前の医療利用パターン、その診察中の診断など、患者データをより詳細に調べ、患者の医療を求める行動を決定する他の要因があるかどうかを調べることです。」