気候学者：北極の氷は10年以内に完全に消滅する可能性

ノルウェー極地研究所の新しいデータによると、北極の氷はこれまで考えられていたよりも速いペースで溶けている。

科学者たちは北極海の海底に特殊なソナーを設置し、流氷の厚さを測定し、そのデータを研究者に送信しています。これまで、北極の氷は少なくとも50年から100年で消失すると考えられていました。「例えば1990年代のような厚い流氷は見つかっていません。これまでの観測結果から判断すると、北極の氷が10年以内に完全に溶けても驚きません」と、海洋学者のエルモンド・ハンセン氏はNRKに語りました。

そのため、厚さ5メートルを超える多年氷は事実上消滅しました。1990年代には、北極海盆域の氷全体の28%を占めていました。2010年の冬には、その数は6%にまで減少しました。実際、1990年代以降、最大の氷床の厚さは4.3メートルから2.2メートルに減少しています。科学者たちは、これは「北極海盆域が新たな段階に入り、力学的要因と熱力学的要因が相まって氷の厚さが減少する方向にシフトした」ためだと考えています。

「多年氷の厚さは大幅に減少し、年氷の厚さに近づいています。現状では、夏季1シーズンで溶けてしまう可能性があります」と彼は付け加えた。

「この情報は楽観視できるものではありません。氷の融解は非常に急速に進み、ホッキョクグマ、セイウチ、魚類、鳥類の生息に深刻な影響を与えるでしょう。さらに、氷が減れば、地表からの太陽光の反射率も低下します。つまり、海水温はますます上昇していくということです」と、ノルウェーの環境・国際開発大臣エリック・ソルハイム氏は述べている。