携帯電話が病的なナルシシズムの発症につながる

アメリカの社会学者でありテクノロジー専門家で、マサチューセッツ工科大学の教授であるシェリー・タークル氏が、デア・シュピーゲル誌のインタビューで、スマートフォンが私たちの生活に与える影響について語っています。

携帯電話やスマートフォンの登場が私たちの生活に良い影響を与えたのか、悪い影響を与えたのかという問いには、明確な答えはありません。「いずれにせよ、それらは私たちの生活を根本的に変えました」とシェリー・タークル氏は言います。「私は携帯電話に安心感を覚えます。ベッドに持ち込んで、自分の一部であるかのように感じ、自分を人間ロボットのように認識しています」。これは、シェリー・タークル氏が著書『Solitude Together』のためにインタビューした多くの人々、特に若い世代の代表者たちの考えだと、タークル氏は言います。この点に関して、タークル氏は現代の携帯電話ユーザーの意識におけるもう一つの、同様に重要な変化についても言及しています。それは、人々が話すことよりも書くことを好むようになったということです。

「人と人の間のリアルな会話は、SMS、メール、インスタントメッセンジャーによるコミュニケーションにますます取って代わられつつあります。（中略）こうしたコミュニケーションによって、私たちは個人的な接触を減らし、様々な社会的な状況から身を隠すことができるのです」と専門家は述べ、スマートフォンが人を一種の孤独者へと導く世界観を生み出していると強調する。人は、何に、誰に、いつ注意を払うかを自分で決めるのだ。

シェリー・タークル氏によると、これは必然的に3つ目の心理的効果、つまり「私はコミュニケーションする。ゆえに私は存在する」という心理的効果につながるという。彼女によると、若い世代の人々は、自分の考えと向き合うことをほとんど忘れてしまっている。彼らは、自分の考えやアイデアが浮かんだ瞬間に、それを共有しなければならないという切迫した必要性を感じている。数年前には、例えば夫が妻に1日に15回も電話をかけるという話が人々を困惑させ、強迫観念や家族関係の問題があることを物語っていたが、今日では、何度もテキストメッセージをやり取りすることが当たり前になっている。

「多くの人が何らかの精神的逸脱を抱えていると主張するつもりはありません。しかし、思考や感情を伝達したいという欲求に根ざしたこの傾向は、病的なナルシシズムの発達の兆候と言えるでしょう」と専門家は述べています。

シェリー・タークル氏は、スマートフォンを「友達」にするのは危険だと考えている。技術の進歩には敬意を表しつつも、「スマートフォンはそもそも共感できない機械だ」と彼女は言う。

「私はiPhoneが大好きで、情報技術の最新技術の多くに興奮しています。Twitterも使っています。（中略）しかし、機械が私たち人間の経験に貢献できるようになるなどという幻想を抱いてはいけません。」

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