新しいタイプの脂肪組織が発見された

新しいタイプの脂肪組織であるベージュ脂肪が発見されました。その細胞は褐色脂肪細胞に類似しており、同様に過剰な脂質を燃焼させて熱を生成しますが、いくつかの重要な生化学的および遺伝学的特徴において異なります。

脂肪組織には白色脂肪と褐色脂肪の2種類があります。白色脂肪は脂肪を蓄積し、褐色脂肪は脂肪を燃焼させて熱を生成します。つい最近まで、褐色脂肪は動物と乳児にしか存在せず、成人には存在しないと考えられていました。しかし、成人にも褐色脂肪が存在することが発見され、これに関連して、褐色脂肪を肥満対策として利用できるのではないかという考えが生まれました。脂肪を燃焼させる褐色細胞は、白血球への脂肪蓄積を減らす可能性があるのです。

ダナ・ファーバーがん研究所（米国）の研究者たちは、これら2つの脂肪に加えて、「ベージュ」（または「ライトブラウン」）と呼ばれる第3の脂肪組織を発見しました。科学者たちがこのタイプの脂肪組織に初めて出会ったのは2008年のことです。Cell誌に掲載された最新の論文では、ベージュ脂肪は褐色脂肪の一種ではなく、完全に独立した脂肪組織であると説明されています。しかし、褐色脂肪と同様に、白色脂肪細胞に蓄積された脂質を燃焼させる働きがあります。成人では、ベージュ脂肪は鎖骨付近や背骨に沿って皮下に小さな蓄積を形成します。

実際、研究者たちは、成人で発見された褐色脂肪は実際には褐色ではなく、ベージュ色だと考えています。両者を混同しやすいものの、2種類の脂肪細胞にはいくつか非常に重要な違いがあります。褐色細胞は、ミトコンドリアが脂肪を効率的に代謝し熱を生成するために必要なUCP1と呼ばれるタンパク質を常に高いレベルで維持しています。ベージュ細胞は、ミトコンドリアを多く含んでいるにもかかわらず、このタンパク質のレベルは低いです。しかし、寒さなどの特定の要因は、ベージュ脂肪におけるUCP1の合成を増加させる可能性があります。ベージュ細胞は、イリシンと呼ばれるホルモンによっても刺激されることがあります（イリシンは最近、褐色脂肪との関連で話題になっています）。

褐色脂肪とベージュ脂肪は起源も異なります。褐色細胞は、筋細胞と共有する幹細胞から発生します。ベージュ細胞には独自の前駆細胞があり、白色脂肪沈着物中に形成されます。ベージュ脂肪は、褐色脂肪とほぼ同等の効率で脂質を燃焼します。したがって、成人の褐色脂肪が本当に偽物であるならば、研究者は褐色脂肪については忘れて、代謝を調整し肥満を予防する効果もあるベージュ脂肪に注目するべきです。

しかし、人間のどこかに本物の褐色脂肪が隠れている可能性はあります。科学者がこれほど長い間、本物の動物の褐色脂肪との違いを無視してきたとは想像しがたいことです。

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