髪の毛1本で心臓病がわかる

エラスムス医療センター（オランダ、ロッテルダム）の専門家らは、心血管疾患の診断における新たな方法を発表しました。たった1本の髪の毛から、心臓病や慢性疾患の傾向が分かります。髪の毛には、健康に関する貴重な情報が詰まっています。その主な情報源は、ストレスホルモンとも呼ばれる生理活性ホルモン、コルチゾールです。

コルチゾールは副腎皮質の外層で生成され、体内の炭水化物代謝を調節する一種の「調整因子」です。これまで、体内のコルチゾール濃度は血液検査で測定されていました。オランダの専門家は、この指標は血液だけでなく毛髪からも読み取れることを報告しました。静脈血検査で体内のコルチゾール濃度を測定する場合、その指標は検査を受けた時点のみで有効です。毛髪を用いた研究はより信頼性が高いと考えられています。科学者たちは、長期間にわたってコルチゾール濃度の測定を追跡することができました。このように、この新しい診断法はより効果的になります。

ストレスホルモンと考えられているコルチゾールの量は、心血管疾患に対する感受性を決定します。ロッテルダムで実施された研究は、専門家がこのホルモンレベルの変化を追跡し、心臓疾患を事前に診断するのに役立つでしょう。

研究責任者は、コルチゾール値の上昇は心臓病の傾向を示唆する可能性があるため、髪の毛を分析することで将来の危険な病気の予防、ひいては発症の予防に役立つ可能性があると報告しました。体内のコルチゾール値が高すぎると、心臓病の危険因子となる可能性があります。専門家は、そのような危険因子として、肥満、運動不足の生活習慣、高血圧などを指摘しています。

新たな診断法の研究過程で、科学者たちは238人の高齢者の血中コルチゾール濃度を比較しました。その結果、コルチゾール値が平均より高い人は、冠動脈疾患、糖尿病、心筋梗塞、その他の心血管機能障害に関連する疾患を患っていることが示されました。

毛髪分析では、コルチゾール濃度に加え、食物アレルギーやビタミン・ミネラル欠乏症に関する詳細な情報も得られます。

有益な事実として、毛髪分析が近い将来、血液分析に取って代わる可能性がある。毛髪は血液とは異なり、はるかに長期間情報を保存できるため、アルコールや薬物の検査をより効果的に行うことができる。早期に毛髪分析を行う人は、心血管疾患や脳卒中の発症リスクについて警告を受けるだろう。毛髪一本で、数ヶ月にわたってコルチゾール濃度を「報告」できるようになるだろう。