自閉症：新たな原因が特定される

これまで、小児自閉症の原因は、様々な先天異常、頭部外傷、感染症などと考えられてきました。さらに、脳機能の先天性疾患、あるいは精神疾患が原因であるという仮説も提唱されてきました。しかし、トロント大学を代表するスペイン、日本、カナダの著名な専門家たちは、自閉症の症例の3分の1は、脳内の特定のタンパク質の急性欠乏に関連していることを科学的に証明しました。この研究結果は、定期刊行物「Molecular Cell」に掲載されました。

この専門家グループは既に同様の研究を行っており、自閉症患者ではnSR100（SRRM4とも呼ばれる）タンパク質の濃度が有意に低いことを明らかにしていました。しかし、当時は、このタンパク質と自閉症の発症を結びつける直接的な証拠は得られていませんでした。

事実、脳構造の正常な機能は、多数のタンパク質複合体の協調的な機能に直接依存しています。例えば、タンパク質化合物nSR 100は、脳の反応の質と人間の行動の制御を担っています。自閉症と診断された患者において、専門家は多くの症例でこのタンパク質化合物の明らかな欠乏を発見しています。

さらに、研究者たちは動物、特にげっ歯類を対象とした一連の研究を実施しました。実験の要点は、マウスの脳から特定のタンパク質化合物を人工的に除去したことです。その結果、げっ歯類は自閉症の典型的な兆候を示し始めました。マウスの行動は劇的に変化し、互いにコミュニケーションを避け、騒音から身を引いて隠れるようになりました。つまり、社会的に敏感になったのです。

「以前、nSR 100の低レベルと自閉症の発症との間には何らかの関連があると示唆していました。しかし今、それを証明する機会を得ました。確かに、タンパク質の低濃度でも病態を引き起こす可能性があり、これは非常に重要な発見です。タンパク質化合物のレベルが半分に減少した場合でも、自閉症に特徴的な症状の出現を観察することができました」と、ルネンフェルト・タネンバウム研究所の分子遺伝学者、サビーネ・コルデス博士は、この研究について述べています。

「私たちの研究の主な利点は、得られた結果によって病気の治療方法が根本的に変わる可能性があり、また神経系の生物学における他の病因の影響も説明できる点です」と、この発見の研究者であり著者の一人であるトロント大学の教授、ベンジャミン・ブレンコウ氏は結論づけている。

アメリカでは以前にも同様の研究が行われていましたが、それらはタンパク質組成分析や選択的スプライシング制御（タンパク質コードが一つの遺伝子によってどのように変化するか）の評価とは関係がありませんでした。当時、科学者たちは、妊娠初期の女性の超音波検査における超音波の影響が自閉症と関連している可能性があると推測していました。しかし、当時、専門家たちは自閉症の発症と超音波診断の影響との関連性を確立できなかったことに留意すべきです。

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